休耕田を池にして高級魚を養殖、厄介者のザリガニは地域資源に 京都・美山町の農学博士を追う「ドキュメンタリー7」

テレビ大阪のドキュメンタリー番組「ドキュメンタリー7」は、日々のニュース取材で出会った「目立たずとも社会に貢献する人」や「弱い立場に寄り添う人」を紹介する“やさしい”ドキュメンタリーです。その第40回「桃源郷を守るドクター~農学博士の奮闘記~」が、2026年10月16日(金)ひる12時5分から放送されます。今回の主人公は、京都府南丹市美山町で里山の未来を守ろうと取り組む農学博士、小林正秀さんです。

かやぶきの里で進む人口減少と里山の変化
美山町は京都府のほぼ中央にあり、かやぶき屋根の家々が並ぶ風景で知られています。寒暖差を生かした丹波栗の産地でもあります。一方で、小林さんが暮らす集落では、20年ほどで人口が半数以下に減りました。空き家が増え、休耕田も広がっています。
人が離れた土地には、シカなどの野生動物が集まるようになりました。里山の姿は大きく変わりつつあります。「40年たったら誰もおらへん」という危機感を抱いた小林さんは、森林研究を続けながら、故郷を守るための新しい挑戦を始めていました。

使われなくなった田んぼを養殖池に
小林さんが着目したのは、使われなくなった田んぼです。7年前、休耕田に水を貯めて池を造り、琵琶湖固有種の高級魚「ホンモロコ」の養殖を始めました。
田んぼを池にすると、シカによる被害を防げるうえ、農業経営の支えになる可能性もあります。さらに、多様な生き物がすむビオトープとして、環境保全にもつながるといいます。地域の課題解決と環境保全の両立をめざす取り組みですが、その途中で思わぬ問題が起こります。
厄介者のザリガニを「美山ザリガニ」に
養殖池で大量に発生したのは、特定外来生物のアメリカザリガニでした。ホンモロコを食べてしまう厄介な存在です。しかし小林さんは、この問題を違う角度から見つめ、駆除したザリガニを地域資源として生かせないかと考えました。
試行錯誤を重ねて生まれたのが「美山ザリガニ」です。地元の食材として注目を集め、京都の名店でも提供されるようになりました。厄介者だった存在が、新たな価値を持つ地域資源へと変わっていったのです。あわせて、魚のあらなど本来は捨てられるものを餌に使い、地域の資源を循環させながら魚を育てる仕組みづくりにも取り組んでいます。

家族とともに描く、ふるさとの未来
重要文化財の古民家で暮らす両親、そして東京で暮らす長男。家族はそれぞれに美山町への思いを抱きながら、小林さんの挑戦を見守っています。実は、ホンモロコ養殖のアイデアは長男の発案だったといいます。親子で意見を交わしながら、地域の未来を考え続けています。
「一回しかない人生やのに。やっぱり『やる』ほうがいいねん」と語る小林さん。人口減少や高齢化が進むなかでも、知恵と行動力、そして人とのつながりを武器に、故郷の未来を切り拓こうとしています。里山ににぎわいを取り戻し、人が集い自然と共生する地域を次の世代へ残したい。番組では、そんな農学博士のふるさと再生への奮闘を追います。
番組情報
- タイトル:「ドキュメンタリー7 桃源郷を守るドクター~農学博士の奮闘記~」
- 放送局:テレビ大阪
- 放送日時:2026年10月16日(金)ひる12時5分~
- 放送後はTVerでも視聴可能
- 番組のYouTubeチャンネルでは過去の放送を配信中
出典:テレビ大阪株式会社


