刑務所を出た後の「次の住まい」をつなぐ ワンネス財団が沖縄で自立準備ホームから賃貸住宅への移行を支援

ウェルビーイングの専門機関である一般財団法人ワンネス財団は、連携法人の株式会社グッドネスとともに、沖縄で住まいの支援に取り組んでいます。対象は刑務所を出た人で、沖縄で住まいを見つけ、地域で暮らし続けられるようにすることを目指しています。出所直後の生活は、財団グループが運営する自立準備ホームで支えます。その後に暮らす賃貸住宅への入居は、グッドネスが支援します。
自立準備ホームから地域の賃貸住宅へ
自立準備ホームは、出所後すぐに帰る場所を確保できない人などのための仕組みです。民間の団体が保護観察所から委託を受け、宿泊場所と生活支援を提供します。財団グループは保護観察所に登録したホームを現在も運営しており、これまで委託を受けてきました。出所後の生活を支えるため、保護観察所や沖縄県地域生活定着支援センターとも連携しています。
ホームから賃貸住宅へ移ろうとしても、保証人や緊急連絡先を頼める人がいない、入居時の費用を用意できないといった事情が重なると、部屋を借りるのは容易ではありません。貸す側も、家賃の支払いが滞ったときや緊急時に誰へ連絡すればよいのかという不安を抱えています。
グッドネスは、グループの不動産事業を担う会社です。同社は2024年4月22日に、沖縄県の居住支援法人(沖縄県第10号)の指定を受けました。沖縄本島全域を対象に、賃貸住宅の情報提供、入居相談、入居後の生活支援を行っています。家賃債務保証と緊急連絡先の確保は、外部の委託先を通じて対応します。
出所後の住まいが課題とされる背景
法務省『令和7年版再犯防止推進白書』によると、2024年度に全国の自立準備ホームが委託を受けて支援したのは1,686人でした。1人当たりの平均委託期間は70.1日です。一時的な宿泊場所を確保するだけでなく、そこを出た後も安心して暮らせる住まいを見つけることが課題となっています。
法務省保護局の資料では、2019年に出所した人のうち、翌年末までに再び刑務所に入った人の割合(2年以内再入率)も示されています。帰る場所がなかった人では26.8%、更生保護施設などに仮釈放された人では15.3%でした。なお、この比較は釈放の状況なども異なる二つの集団を対象にしたもので、住まいの有無だけによる差を示すものではありません。
沖縄・奈良・三重で26拠点を運営
財団グループは沖縄・奈良・三重で、自立準備ホームとグループホームを合わせて26拠点を運営しています。施設の種別ごとに見ると、自立準備ホームが16件、グループホームが18件です。このうち8件は両方の機能を持つ兼用施設のため、拠点の総数は重複を除いて数えています。
- 沖縄:一般社団法人セレニティパークジャパン沖縄と株式会社ホールネスプロセスが、計8拠点・定員79名分の住まいを運営。内訳は自立準備ホーム3件・25名分、グループホーム5件・54名分
- 奈良・三重:4法人が計18拠点を運営。自立準備ホーム13件、グループホーム13件の機能を備え、このうち8件が兼用施設
財団は住まいの選択肢を用意するだけでなく、本人の希望や状況に合わせて必要な支援につなげることを重視しています。沖縄では、ホームでの支援にグッドネスの賃貸住宅への入居支援を組み合わせることで、一時的な宿泊場所の確保から地域での暮らしへとつないでいます。
入居後の医療・福祉・仕事の相談も
地域での生活に必要な支えは、人によって異なります。グッドネスは住まいの相談に加えて、訪問看護と、障害福祉サービスの利用を支える特定相談支援も担っています。精神科の診療が必要な場合は、財団と連携する絆愛こころクリニックにつなぐこともできます。財団自身も、刑務所内での教育や、刑務所や少年院を出た人のためのライフキャリアスクールに取り組み、事業を通じて働く場もつくっています。必要に応じて、依存症からの回復も支えます。
2025年10月1日には、改正住宅セーフティネット法が施行されました。厚生労働省と国土交通省の基本方針では、刑の執行のために刑事施設に収容されていた人なども、住まいの確保に特に配慮が必要な「住宅確保要配慮者」に含まれています。沖縄県の指定居住支援法人一覧(2026年10月1日時点)でも、グッドネスの支援対象に「更生保護対象者」が明記されています。財団は、住まいの相談をきっかけに本人が必要な医療・福祉・就労の支援にも出会えるよう、地域の関係機関との連携を続けるとしています。沖縄本島での住まいの相談は、株式会社グッドネス(電話:098-963-7076)が受け付けています。
出典:ワンネス財団


