木造賃貸と2人暮らし向け住戸が評価 東京建物「Brillia ist」の2物件が2026年度グッドデザイン賞を受賞


賃貸マンション「Brillia ist」シリーズから2件が受賞
東京建物株式会社が手掛ける賃貸マンション「Brillia ist」(ブリリア イスト)シリーズの「Brillia ist 洗足池の杜」と「Brillia ist 墨田曳舟」の2件が、2026年度グッドデザイン賞を受賞しました。グッドデザイン賞は公益財団法人日本デザイン振興会が主催しており、2件はどちらも「中~大規模集合住宅」のカテゴリで受賞しています。
「Brillia ist」は、分譲マンションブランド「Brillia」で積み重ねてきたノウハウをベースにしたブランドです。そこに「どこまでも自分らしい生き方にこだわる人」を意味する「ist」という個性を加えて名付けられました。都市の暮らしになじみ、実用的で色褪せない洗練さと行き届いた安心さを持ち、スマートにゆとりを生み出せる快適な居心地の住まいを提供するとしています。

木の温もりで街並みと調和する「Brillia ist 洗足池の杜」
「Brillia ist 洗足池の杜」が注目したのは、新築・改修・解体の各段階で出る温室効果ガスの排出量が少ない木造の集合住宅です。脱炭素社会と循環型社会への貢献を目的に、周辺の街並みや、木造化が進む東急池上線沿線と親和性の高い木造賃貸住宅として開発されました。共用部と住戸の仕上げ材に木材を使い、温もりと安らぎを感じられる快適な住空間を実現しています。なお、東京建物はこの物件を、同社初の木造賃貸マンションとして紹介しています。
デザインのポイントとして、次の3点が挙げられています。
- 木造の中層集合住宅として街並みとの調和を図り、居住者や周辺の人々にやわらかいフォルムを提供
- 共用部と住宅ユニットの内装に天然木材を採用し、五感で感じる居住空間を提案
- 木造に関する技術的・法的な視点からの解決と、環境配慮を踏まえた建物開発の視点
審査の評価コメントでは、地球環境への負荷低減を考えれば、都市建築の木造化は今や大きな社会的使命だと言ってもいいと述べています。一方で、これまでは構法への限定的なアクセシビリティやコストの問題などがあり、普及にはほど遠い状態だったと指摘しています。そのうえで本計画については、適切な規模設定とオーソドックスな平面計画によって無理なく木造化を実現し、内装の木質化にも積極的に取り組んで心地良い住空間をつくっていると評価しました。さらに、他のプロジェクトにも展開できる汎用性の高さが社会的に大きな影響力を持ちそうだとし、その波及効果こそが地球環境への負荷低減に最も有効な方法だと結んでいます。
- 所在地:東京都大田区東雪谷一丁目9番13号
- アクセス:東急池上線「洗足池」駅徒歩5分、「石川台」駅徒歩4分
- 敷地面積:1,117.94㎡/延床面積:2,073.74㎡
- 構造・規模:木造枠組壁工法、一部鉄筋コンクリート造・地上5階建て
- 総戸数:42戸
- 事業主:東京建物株式会社/設計・監理、施工:三井ホーム株式会社
- 竣工:2026年3月

2人世帯のために設計された「Brillia ist 墨田曳舟」
「Brillia ist 墨田曳舟」は、東武スカイツリーラインと京成押上線の2路線が使える、全43戸の賃貸集合住宅です。都心への高いアクセス性と下町の穏やかな生活環境をあわせ持つ立地を生かし、共用ラウンジと東京スカイツリーを望む屋上テラスを設けました。都市の利便性と心地よい暮らしが両立し、その2つがスムーズに切り替わる住まいを目指してデザインされています。
デザインのポイントは次の3点です。
- 街並みに溶け込む端正なグリッドデザイン。木調塗装と本体の格子構造、ダブルスキンとしての格子による調和
- 住まい手と貸主が共創してつくり上げた2人世帯のための賃貸住宅。計画の過程でニーズを把握し、具現化
- 森林循環に取り組む東京チェンソーズとの共創で実現した、木のぬくもりを感じる共用空間
評価コメントでは、都市部で2人暮らしの世帯が増え続けているにもかかわらず、その受け皿となる住戸はほとんど供給されてこなかったと指摘しています。条例が定める住戸規模の枠と、建築費や地価の上昇による面積の圧縮が重なり、ワンルームと家族向けの間が空白のまま残されてきたためだといいます。本計画はこの空白に事業者自らが踏み込み、面積の多寡を競うのではなく、2人の生活で同時使用が避けられない水回りの使い勝手に焦点を移した点が評価されました。住まい手への聞き取りを経て手を入れる先を見極めた過程も、的確だとされています。
外観については、逆梁とアウトフレームによって生じる外形の凹凸を格子状のダブルスキンで一つの秩序にまとめ、無機質になりがちな賃貸の立面を下町の街並みに穏やかに納めていると評されました。共用部に多摩産材を据えた試みについても、素材の来歴ごと住まい手へ渡そうとする姿勢であり、共用部が単なる余白で終わらない道筋を示していると言及しています。
- 所在地:東京都墨田区東向島二丁目21番3号
- アクセス:東武スカイツリーライン「曳舟」駅徒歩4分、京成押上線「京成曳舟」駅徒歩7分
- 敷地面積:448.46㎡/延床面積:2,518.25㎡
- 構造・規模:鉄筋コンクリート造・地上12階建
- 総戸数:43戸
- 事業主:東京建物株式会社/設計・監理:株式会社IAO竹田設計/施工:石黒建設株式会社
- 竣工:2025年7月
出典:東京建物株式会社


